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第二次世界大戦後の日本映画

全米監督協会の2つの劇場で、非営利団体American Cinematheque主催の放映イベント、「現代日本映画の巨匠たち」が開催されます。このイベントでは、日本で最も優れた戦後の監督による、厳選された16本の異なる傑作映画が、放映されます。

その中には、史上最も美しいカラー映画の1本と見なされた、衣笠貞之助の『地獄門』のような有名な作品も含まれています。紹介される映画は、今日、めったに放映されることはありませんが、映画愛好家なら、題名を聞いただけですぐにわかります。それぞれの映画が格別なので、どれを視聴するかを決めるのが、困難です。連日の放映となっているため、尚更です。

『悪い奴ほどよく眠る』（1960年）は、とあるグループについての、短編小説です。この、めったに見られない、ハッキリとした白黒のコントラストを用いた、黒澤明の作品は、『ハムレット』が、高層ビルやスポーツカーがある現代世界を舞台に作成されたかのような感じがします。

この作品では、企業と金融業界の陰謀が渦巻く世界での、典型的な悲劇が描かれています。主人公は、上辺では控えめなヒーロー（眼鏡をかけた三船敏郎）で、父親を殺した犯人の娘と結婚し、男への復讐を企てます。歪んだ政治と賄賂の蔓延が、生々しく描かれており、黒澤明の手にかかったことで、時代を超越した、普遍的な社会的批判となっています。

次にご紹介するのは、『地獄の門』（1953年）です。

第二次世界大戦後、最も世界に影響を与えた最初の3つの日本映画は、黒澤明の画期的な『羅生門』（1950）、溝口健二の美しい幽霊の物語『雨月物語』（1953）、そして『地獄の門』でした。12世紀を舞台にした、永遠に結ばれない恋人たちである、戦士（二枚目俳優の長谷川一夫）と人妻（京マチ子）の物語は、その華やかな色彩が印象的です。

『晩菊』（1954年）とは、季節の後半に咲く、菊のことです。9月6日、午後9時15分に放映予定です。1年前、リトル東京シネマによる、この成瀬巳喜男の名作の再放映を見逃した方は、今回がチャンスです。これは、日本で最も優れた戦後映画の1つです。山田五十鈴、杉村春子、故・田中絹代が演じる、昔の芸者トリオの物語です。山田五十鈴と杉村春子は、今も健在です。

『砂の女』（1964年）は、砂に住む女性に関する、短編小説です。この、勅使河原宏による作品は、魅惑的な女性によって、砂丘に閉じ込められた、昆虫学者についての寓話です。不気味で性的でありながら、非常に様式化されており（そして暗くて、ユーモラス）、1960年代に最も成功した、日本映画の1つです。

『お葬式』（1984年）は、葬式に関する映画です。人気映画『タンポポ』の脚本・監督をした伊丹十三は、このスマートで、共感を呼ぶ、微妙に陽気な、コメディー映画でデビューしました。『お葬式』では、3日間、一般的な葬儀を準備して挙げる様子が、描かれています。心地よく、繊細で、洞察に満ちた（そして下品でさえある）、死ではなく生を祝う映画となっています。演じているのは、山崎張と宮本信子です。二人は、『タンポポ』と『マルサの女』で、再共演しました。