日本で好まれるカジノとは?

将来、日本で導入される、カジノを含む統合型リゾート(IR)を説明するために使用する、用語の選好を測るために、コンジョイント分析を採用しました。そして参加者が、カジノについて説明するのに使われる特定の用語(カジノの場所名や、ギャンブルの規制に関する用語)を、どのように解釈するかを、調べました。また、カジノ関連の用語が、参加者の選択にどのように影響したのかも、分析しました。

これらの結果をもとに、カジノについての一般認識を向上させるために、すべきことを以下にまとめました。

国会は、2018年にIR実施法案を可決し、IRの実施に関する、より詳細な規制を、定義しました。しかし、多くの人々は、IRに反対しています。この反対にもかかわらず、日本のギャンブル市場(公営ギャンブルとパチンコを含む)は、毎年20兆円以上の規模となっています。

公共ギャンブルやパチンコゲームなど、大規模なギャンブルに、多くの人が親しんでいるにも関わらず、なぜ日本はこれまで、カジノの推進に失敗してきたのでしょうか。ここでは、カジノに関連する用語が、人々の選択にどのように影響しているか、つまり、用語がカジノについての否定的、または好ましい認識を、どのように形成しているかを、分析しました。

変数間で、選好に大きな違いが見られるように、場所は、選好に大きな影響を及ぼしています。つまり、カジノを訪問するかどうかは、カジノの場所に大きく影響されています。また、カジノから何が期待できるかをイメージしやすくなる、程度(「最大」や「贅沢」など)に関する用語の使用は、プラスの効果があることがわかりました。

環境面では、従来のカジノを連想する「高級感」が、一番望ましい環境だと感じている人が、多かったです。参加者には、カジノの歴史を知らなくても、「カジノ=贅沢」というイメージが、定着している可能性が示唆されました。

他の、程度を表す用語と比較すると、「贅沢」という言葉の使用により、好印象の度合いが高められることがわかりました。例えば、「格別」という言葉が、東京ディズニーリゾートのような、子供向け施設のイメージを思い起こさせた場合、その言葉はカジノと互換性がないと、認識される可能性があります。

「楽しい」という言葉は、様々な意味合いを持っています。「楽しい」という用語を、カジノと関連付けた場合、騒々しい場所を想起させ、否定的なイメージとなる可能性もあります。

これらのことから、日本でカジノが、人気施設となるためには、高級感あふれる、ホスピタリティを兼ね備えたものにするべきだという、仮説が立てられます。また、質の高い顧客対応と、高度なサービスを提供するために、国際的な高級ホテルチェーンを日本に呼び込み、サービスのノウハウを共有してもらう必要もあるでしょう。

「高級な雰囲気のある場所」として設計されたカジノは、多くの日本人が好む場所となり得るでしょう。高級感を持たせ続けられるように、カジノを運営管理することが、必要不可欠だと言えるでしょう。